「私たちは愛されなきゃいけないの。」 裸のまま、布団の中で体を絡み合わせ、私たちは秘密の言葉を交わした。 「誰に愛されればいいのかしら。」 顔も声もそっくりな私たちの間に、言葉の壁は存在しなかった。 「それが問題ね。」 お姉様の呼吸と私の呼吸が混ざり合う。 もう、本当は、どちらが話しているのかも分からなかった。 「私たちを愛してくれる人なんているのかな。」 胸が苦しい。 「私たちを見てくれる人なんているのかな。」 体が重い。 「私たちが生きてる意味はあるのかな。」 意識が遠くなる。 夜空の中に落ちていく。 まばゆい無数の青の宝石の中に、私は包まれていった。 目が覚めると、私は一人だった。 優しいお姉様はどこにもいないで、 ただ苦しい現実が私を待っていた。 朝日は窓から差し込み、 冷たい空気が風に運ばれてカーテンを揺らしていた。 私は泣いた。 ずっと泣いた。 そうすることで、なにかから許されようとするように。 「誰に愛されればいいんだろう。」 そう呟いたのは、やっぱり私だった。