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お姉様と

「ねえお姉様、
 私にはきっと、人の心がないんだわ。」

私はお姉様の顔を見つめていました。
お姉様は仰向けになって目を閉じています。
こうして毎夜一緒に寝るのが私たちの習慣でした。

「どうして、サト?」

「だって、ペットの小鳥が死んだのに、
 ちっとも悲しくないんだもの。
 それよりも、部屋の掃除とか、明日の用事のことばかり
 考えてしまうの。」

「そうなんだ。」

お姉様の顔は、冷たく整っていて、とても奇麗です。
私はお姉様の頬に手を寄せました。

「慰めてくれないの?」

「何を慰めるの?
 私たちに人の心が必要?」

ああ、お姉様。
その繊細な喉を震わせる音の一つ一つが、私の胸の中で響きます。

「ええ、そうでした……人の心なんて必要ないものでした。」

「サト……サトの手は冷たいね。気持ちいい。」

お姉様は笑って、私の手を包んでくれました。
その手は柔らかく、温かく、いい香りがしました。

お姉様。人の心は、私たちが生きていくのに必要ないものですけれど。
貴女と繋がれないのなら、生きていることに何の意味があるのですか。

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