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私たちは一人じゃ生きられない

書きたいように書きました(いつものこと)



誰も彼も死んでしまえばいい。
くだらない会話も、つまらない生活も、
この世界には必要ない。
私に物語は必要ないし、
物語に私は必要ない。
こんな世界消えてしまえばいいのに。

「何してるの?」
媚びたような声が聞こえた。
夜の帳が降り始めた午後、
冷たい公園の檻の中のことだった。
「私はもう壊れてしまうんだ」
「どうして?」
彼女は、その子は、
私と同じ制服を着て、
それでいてとても幼く見えた。
「誰からも必要とされてないから」
その子は眠るような仕草をして笑った。
「それぐらいで壊れたりしないよ」

両親の言っていることも、
同級生の話すことも、
先生が言ってくることも、
何一つわからなかった。

「どうしてそんなことしたの!」
「何度言ったらわかるの?」
「お前は何を考えてるのかさっぱりわからない」
「なんでそんなこと言うの?」

私たちは一緒に住むことにした。
「どうして?」
「私たちは一人じゃ生きられないんだから」
「生きられるよ」
生きられるはずだ。
これまでだってそうしてきたんだから。
「明日から一緒に学校行こうね」
「一人で行きなよ」
「一人じゃ無理だよ」
「無理じゃない」
ただそうやって生きていけばいいんだ。

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「すごい発見をした」
「なに?」
「教えない」
「えーなんでー」

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嫌われ者の私が物語を紡ごうなんて無理だったんだ。
無理じゃない。
そんなことない。
冒険ファンタジーも推理小説も寂しいだけ。
虚しくて、死にたくなる。
どうしてこんなに空っぽなんだろう。
ごめんね。
私は人間じゃないから。
人間のふりをするのに疲れちゃった。
死にたい。
殺してほしい。
誰か、
誰か。

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「どうしてそんなこと言うの」
何度も聞いた言葉だ。
だけど、どうしてだろう。
そんな顔で言われたのは初めてだ。
「この世界に私なんて必要ないから」
私はただ事実だけを述べる。
「どうして」
「私は何の役にも立たないし、それどころか
他の人を不快にして足を引っ張るだけだから」
「そんなこと」
その子は最近笑ってくれない。
どうしてだろう。
悲しい。
あの子の優しい笑顔が大好きだったのに。
「殺してよ
これが最初で最後のお願いだから」
「どうして」

「どうして」

「ねえ、どうしてなの?」

「私といるのがそんなに嫌だった?」

「私といても全然楽しくなかったの?」

「生きるのはそんなに苦しかった?」

「世界はそんなに冷たかった?」

「楽しいことなんて一つもなかったの?」

「どうして」

「どうして?」

そうじゃない。

「そうじゃないんだよ」
「じゃあどうして?」
「だから、私は生きてちゃいけないんだよ」
「そんなこと誰が言ったの?」
「みんな思ってるよ。口に出さないだけで」
「私は思ってないよ」
「関係ないよ」

わかっている。
その子がずっと悲しそうな目をしているのは私のせいだ。
だから、早く消えなきゃ。
私なんかがここにいちゃいけないんだ。

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温かい。
苹果の匂いがする。
「ねえ」
お互いの神経を慰め合うように、
私たちは息をしていた。
「大好きなんだよ。本当に」
彼女はうわ言のように同じ言葉を繰り返す。
「わかったよ。もう。」
「本当に好きなの。本当に。わかってよ……」
「わかったって。」
「えへへ」
いつかと同じ笑顔を見せたまま、
それきり彼女は眠ってしまった。

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いつか壊れてしまうもの、
いつかなくなってしまうものに、
私は恋をする。

儚くて、
繊細で、
優しくて、
暖かいものに。

短い夏が過ぎて、
私たちは一つになった。
儚くて悲しい私の半身は、
いつも痛みを訴えている。

それが今の、
私の生きる意味だ。

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