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昔の112

先へ進む




目の前には七十の箱があって、
きっとそのうちの一つが正解で、
でもそれを選ぶことは決して無くて、
私はいつも同じ箱を選んで、
そしたらまた七十の箱が出てきて、
私はまたいつもの箱を選ぶんだろう。

一つ箱を選ぶたびに
景色は少しづつ変わっていって、
選ぶのに飽きてきた頃に周りを見れば
そこは見たことのない場所で、
私はずっと目を見張って
止まった物を眺めている。

気付けばあの子はあんな遠くに
ついさっきまで一緒にいたのに
もうどうやっても会えない所に
目の前にはまた七十の箱があって
そこから先は何も見えない
でも進むべき道は分かっている

それなら私はどこへだって行ける
そのどれもが私の道で
だから私は誰にでもなれる
目の前にはまた七十の箱があって
そこから先にすべてが見える
次はどこに進もうか

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