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昔の81

何を思って書いたのか謎です




消えかかった空の向こう、薄暗い雲の裏側に揺れている星を見ていた。

すぐ近くで、遠いところから、声が聞こえてくる。

「虚空の谷に落ちていく絵の具と右手。」

虹色の風が空を塗り替えていく。

藍色だった空は潮が満ちていくように茜色に染まる。

クリスタルの床が青白く光り出す。

眼を開くとそこは私の部屋の中だった。



「だからやっぱり、船はやめたほうがいいと思うの。
 サナはどう思う?」
「えっと、何の話だっけ?」
「だから、明日のヨモギ祭だよ。」
「明日はもれなく法被だねー。」
「それじゃ、緑の浴衣とかどう?」
「あー、明日までには傷も消えるだろうしね。」
「あとは誰か良い人がいればいいんだけどねー。」



私たちは結束するにはあまりに幼すぎた。
同じ場所にいるようで、実は全然違う場所にいた。
長い時間は幻影を生み出した。
まるで彼女たちがそこにいるように見えた。

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