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昔の131

ただ今日があるだけ




また今日も一日が過ぎていく。
膨大な数の可能性を捨てて一日が終わる。
出来たことは無数にあった。
とても遠くへ行くことだって出来たし、
知らない人と友達になることだって出来た。

窓を開けると
冷えた外気が部屋に流れ込んできて
空は明るく、大きな長い雲が島みたいに浮かんで
その雲だって真っ白に輝いて
風もこんなに冷たいのに
そんなの当たり前のようだった

私には昨日も明日も無くて
ただ今日があるだけ
今日一日だけを生きられる私は
何の為に生きればいいだろう

閉めた窓の外からも光が入ってくる
曇り硝子を通しても鮮明な空と雲が見える
冷たい空気の広がりを感じる
子供の頃感じた、
けれどずっと忘れていた。
空想めいた現実感に囚われたまま。

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