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昔の42

なんだかなあ




「あはははは!」
才は深夜まで起きて漫画を読んでいた。
もう既に何度も読んだ本だったが、才は面白かった。
「あーおっかしー。やっぱミーさんは天才だわ」
階段を誰かが上がってきて、才の部屋を開けた。
「才!いつまで起きてるの!もう寝なさーい!」
それは才の母親だった。
「だってー、眠れないんだもん……」
才は頬を膨らませた。
「いっつも夜更かししてるから寝れなくなるんでしょ!
お布団に入ってればそのうち眠くなるわよ!
分かったら早く寝ること!」
「はーい……」
才は仕方なさそうに返事をした。
「じゃ、おやすみ。」
「おやすみなさぁい」
才の母親は階段を下りていった。
才が時計をみると、針は二時を指していた。
「まだ二時かぁ……おなかすいたなぁ…」
才はお腹をなでた。
意識すると、ますます空腹を感じるようになった。
「うう、お腹がすいて力が出ない……
こんなんじゃ寝れないよぉ……」
才は一階へ降り、台所を漁ることにした。
ただし、たった今寝ると言った手前、母親に見つかることだけは避けなければならない。
才はつま先立ちで、シラシラと階段を下りていった。
階段を降りてすぐ右に、母の寝室がある。
才は聞き耳を立てるが、物音はしない。
「もう寝ちゃったのかな……」
母の寝つきの良さは、地元では有名な話である。
廊下の先には台所がある。
電気はついていないようだった。
才は先へ進んでも安全と考え、そっと寝室の前を通り過ぎた。
「なんか泥棒になったみたい」
その時、才は恐ろしいことを考えてしまった。
「ちょっと待って…もし……台所に泥棒がいたらどうしよう……!」
真っ暗な台所を見る。
「暗闇に潜む影……何も知らない無力な少女はたった一人でその危険地帯へ足を踏み入れる……影は音もなく少女に忍び寄り…鈍く光る刃をその白い首筋へ当て……そして……」
才は腕を寄せた。
「い、いやいや、ちゃんとお母さんが戸締りしてるし、そもそもこんな田舎に泥棒なんていないよね……」
気を取り直し、才は台所へと進んだ。
そして照明のスイッチに手をかけた時、

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