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昔の46

45の続きです




私だって、一人で旅くらいできる。
いこう!何かを探しに!
何を探すかなんて問題じゃない。
きっと探してる間に見つかるわ!
でも、旅には仲間が付き物よね。
下僕じゃない、保護者でもない、仲間が。
そうね、そうだ、あの子を連れていきましょう。
私の、ずっと古くからの、親友を。
さあ、手に汗握るぼうけんの始まりよ!


「なんだと!?それは本当か、執事!?」
「申し訳ございません。私の不注意でございます。
昨日の夜までは御自身の部屋でお休みになっていたのですが、
今朝にはもういらっしゃらず……
ただいま家来が手分けして探しております。」
「そうか……昨日、何か変わった様子は無かったのか?」
「いえ、特にお変りは……いや、そう申し上げますと、たしか
昨日お嬢様は、旅に出たいという様な事をおっしゃっていましたが…
もしかして……」
「どういう経緯でそのような話に?」
「私がお嬢様に絵本を読んで差し上げていたのです。
お姫様が王子様を探しに旅に出るというお話です。
お嬢様は、おそらくその絵本の中のお姫様に憧れて、旅に出たいと
おっしゃったのかと存じます。」
「なるほど。執事、その絵本を持ってきてくれ。」
「かしこまりました。」

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