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昔の118

ラムネに頬をよせて




それはいつか砕かれてしまうんだ

だからせめてその時までは
この音を聞いていたいんだ

カランコロンと陽だまりに弾ける夏の音を

森の中でも海の中でも
いつでも聞こえる風の音を


60兆の小さな意思
その総体を仮に私と呼ぶのなら
本当に確かなものは
この澄んだ硝子の音色だけ


空っぽなのは私の方だったから

透き通った音が
今も聞こえる

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