キノとアスカシリーズの中で異質で気に入ってる回
カーテンを開け、私は我が目を疑った。
「ちょっとアスカ・・・・・・外見て。」
「なにー?飴でも降ってきたー?」
「空が・・・」
「ん?」
「…空が、赤い。」
それは異様な光景だった。
天には雲ひとつなく、一面が真っ赤に染まっている。
まるで赤いクレヨンで塗りつぶされたようだ。
そして、真上には原色の太陽。
普段は眩しくて直視できないのに、今は凝視することもできる。
光っているというより、ただそこにある、という感じだ。
アスカはちらりとこちらを見たが、すぐにまた寝てしまった。
「別にいいんじゃない?空が赤くたって、何か困るわけでもないし。」
「いや、そういう問題じゃないでしょ!空が赤いって、おかしいでしょ!」
「落ち着きなって。世の中もっとおかしいことは山ほどあるんだから。」
「たとえば何?」
「あたしが人間だってこととか。」
どうやらまだ寝ぼけているらしい。
このまま話しても埒が明かないと思ったので、私は外に出た。
少しでも情報を集めようと思ったのだ。
外に出て空全体が見渡せるようになると、違和感はますます強まった。
もはや恐怖と言ってもいいかもしれない。
昨日まで当り前だと思っていたものが突然否定されるということが、これほど怖いとは思わなかった。
じっと空を見つめる。
血の色だ。
私は昨日までいた所とは全然別の所にいるのだと思った。
本当はいつもそうだったのだ。
毎日何かが変わって、何かが壊れて、もう前いた場所には戻れない。
今までは変化が小さすぎて、気付かなかっただけだ。
私は頭がクラクラした。
これは夢かも知れない。多分夢だろう。
でも、もう気付いてしまった。
例えこれが夢だったとしても、もう元には戻れない。
カーテンを開け、私は我が目を疑った。
「ちょっとアスカ・・・・・・外見て。」
「なにー?飴でも降ってきたー?」
「空が・・・」
「ん?」
「…空が、赤い。」
それは異様な光景だった。
天には雲ひとつなく、一面が真っ赤に染まっている。
まるで赤いクレヨンで塗りつぶされたようだ。
そして、真上には原色の太陽。
普段は眩しくて直視できないのに、今は凝視することもできる。
光っているというより、ただそこにある、という感じだ。
アスカはちらりとこちらを見たが、すぐにまた寝てしまった。
「別にいいんじゃない?空が赤くたって、何か困るわけでもないし。」
「いや、そういう問題じゃないでしょ!空が赤いって、おかしいでしょ!」
「落ち着きなって。世の中もっとおかしいことは山ほどあるんだから。」
「たとえば何?」
「あたしが人間だってこととか。」
どうやらまだ寝ぼけているらしい。
このまま話しても埒が明かないと思ったので、私は外に出た。
少しでも情報を集めようと思ったのだ。
外に出て空全体が見渡せるようになると、違和感はますます強まった。
もはや恐怖と言ってもいいかもしれない。
昨日まで当り前だと思っていたものが突然否定されるということが、これほど怖いとは思わなかった。
じっと空を見つめる。
血の色だ。
私は昨日までいた所とは全然別の所にいるのだと思った。
本当はいつもそうだったのだ。
毎日何かが変わって、何かが壊れて、もう前いた場所には戻れない。
今までは変化が小さすぎて、気付かなかっただけだ。
私は頭がクラクラした。
これは夢かも知れない。多分夢だろう。
でも、もう気付いてしまった。
例えこれが夢だったとしても、もう元には戻れない。
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