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昔の155

ここにいたことを




傷を付けるんだ
少しでいいから
痕跡を残すんだ

忘れられた世界は
忘れられた人間の
ささやかな反乱で
僅かに形を変える

神さまの名前さえも
私は忘れてしまった
どうして空は美しく
人は孤独を嫌うのか
私は忘れてしまった


赤血球のように凝固した言葉で
飾らなくてもいいのだと
君が言うのなら
ただ安らかに眠ろう

暖かいコーヒーは拡散し
部屋中の香りを支配する
君も私も同じように
こんなふうになりたかった


忘れたくなかったんだね
空に傷は付けられないから

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