スキップしてメイン コンテンツに移動

昔の21

終りが近いキノとアスカシリーズ




「もし明日地球が壊れるとしたらどうする?」
私は裁縫している手を止めずに答えた。
「これで何回目?」
「5回目ぐらい?いや、そんなのどうでもいいからさぁ。」
「前もその前も言ったけど……別にどうもしないよ。」
「つまんなーーい!」
アスカが急に声を張り上げたので、私は驚いて顔をあげた。
「なんでなんもしないの!あーもうつまんない人!ばーか!」
「あー?」
「じゃあ明日あたしがどっかいっちゃうとしたら?」
「……?」

私はいつもその瞬間自分にできる最善のことをしているつもりだ。
明日世界が滅ぼうが自分が死のうが関係ない。
今私にできることをやるだけだ。
でも…
明日アスカがいなくなるとしたら……?

「その時はあんたに、一日だけ好きなことさせてあげるよ。」
「じゃあ冷蔵庫の中のシュークリーム食べていい?」
「あー?あれ私にくれるんじゃなかったの?」
「明日歯医者行くんだー」
「じゃあ甘いもの食べちゃだめでしょ」
「明日から食べられなくなるからさぁ。いいでしょ?好きなことしていいんでしょ?」
「前言撤回!あんたがどこ行こうが私は知らん!」
「えー」

コメント