スキップしてメイン コンテンツに移動

昔の14

じゃんけんの手の話




「じゃんけんでいちばん強いのって何かな?」
「はあ?」
「グーで殴ったら痛いけど、パーで殴ってもあんまり痛くないよね。」
「殴る、というより、はたく、だね。」
「チョキで殴ったら痛いかな?」
「まあ急所に当たれば痛いんじゃない?」
「急所って…」
「目だよ?」
「分かってるよ?」
「…」
「でも目に当たってもグーのほうが痛いよね?じゃあ最強はグーかな。」
「グーはパーで受け止められるけどね。」
「あーそう?うーん…」
「まーチョキもパーで受けられるけど…」
「じゃあやっぱりグーが強いね!」
「そうだね」
そのとき、掛け時計の鐘が鳴り始めた。
「じゃあじゃんけんしよっか!」
鐘はまだ鳴っている。
「そういうことね…」
五回鳴って、時計はまた沈黙した。
私たちは腕を出し合った。
「「最初はグー!じゃんけんポン!」」

・・・・・・

今日も私が風呂掃除だった。

コメント