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昔の146

こんな静かな夏の日には




ほんの一つ、前へ進むきっかけがあれば。

そのままどこまでも行ける気がするんだ。



夏の空気が体に入り込んでくる。
私を胸の奥から恋しくさせる、世界の内側。
全てに包まれた私が裏返り、
また私の知っているものが私を包む。

それでも前に進んでいけるんだ。



狂おしいんだよ。
夏がもう窓の外まで来ていて、
みんなと一緒に遊んでるんだ。
私も少しだけ、そのおこぼれにあずかって
それだけでこんなにあたたかい。
ずっとこうしていたい。
心地よい眠気に誘われて
この柔らかな午後にずっと寄り添っていたい。

腕を動かすのも
言葉を吐き出すのも
なんだか気持ちいい
私の心と体が
こんなに一つになって
素直に仲良くしてくれることが
とても嬉しい

こんなに小さい私が
ずっと遠くの雲を見つめて
その固まりはほどけずに
すっかり枠の中を流れていく

形にならなくてもいい
いつかまた思い出すから
こんな静かな夏の日にはきっと
また何もかもに恋をするから

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