途中で飽きてるのが多すぎる
紅く鮮やかに山を彩っていた紅葉も今は朽ち果て、
冷たい無色の雪の下で土に還るのを待っていた。
ナイフのように鋭い風が私を刺す。
空には不安と厭世の色がどこまでも続いていた。
――冬が、やって来た。
「えーと、チーズとパンと、あと薪、と。」
私は買うものを忘れないように復唱しながら、麓の町へ向かって歩いていた。
「チーズと、パンと、それから薪。
チーズと、パンと、それから薪……
ふぅっ、寒いなぁ。」
今日は12月7日。
ヒナカが言うには、今日は大切な日らしい。
何が大切なんだろう?
ビュッ、と風が少し強く吹いた。
「うぁっ、冷たいっ」
コートがバサバサと暴れる。
私はコートの裾を押さえながら、早足で町へ向かった。
と、その時、まるで台風のような強い風が吹いた。
「う、うわっ!」
積もっていた雪が舞いあげられ、吹雪の様になる。
私は体のバランスを崩し、倒れこんでしまった。
「いってぇ……もう、あいつ、覚えてろよ!」
私は悪態をつきながら起きあがった。
そして、左手の異常に気がついた。
「あれ?メモが無い!」
しっかり握っていたはずの、買い物リストが無くなっていた。
「あ、さっき倒れた時に、手を開いちゃったから……
……うわー、どうしよう!
えっと、買うものは確か、えっと、えっと、
チーズと、パンと、それから……たわし。
あっ、良かった、覚えてた。」
私は一安心し、町に着くまで忘れないように復唱しながら歩いて行った。
「チーズと、パンと、それからたわし。
チーズと、パンと、それからたわし……」
紅く鮮やかに山を彩っていた紅葉も今は朽ち果て、
冷たい無色の雪の下で土に還るのを待っていた。
ナイフのように鋭い風が私を刺す。
空には不安と厭世の色がどこまでも続いていた。
――冬が、やって来た。
「えーと、チーズとパンと、あと薪、と。」
私は買うものを忘れないように復唱しながら、麓の町へ向かって歩いていた。
「チーズと、パンと、それから薪。
チーズと、パンと、それから薪……
ふぅっ、寒いなぁ。」
今日は12月7日。
ヒナカが言うには、今日は大切な日らしい。
何が大切なんだろう?
ビュッ、と風が少し強く吹いた。
「うぁっ、冷たいっ」
コートがバサバサと暴れる。
私はコートの裾を押さえながら、早足で町へ向かった。
と、その時、まるで台風のような強い風が吹いた。
「う、うわっ!」
積もっていた雪が舞いあげられ、吹雪の様になる。
私は体のバランスを崩し、倒れこんでしまった。
「いってぇ……もう、あいつ、覚えてろよ!」
私は悪態をつきながら起きあがった。
そして、左手の異常に気がついた。
「あれ?メモが無い!」
しっかり握っていたはずの、買い物リストが無くなっていた。
「あ、さっき倒れた時に、手を開いちゃったから……
……うわー、どうしよう!
えっと、買うものは確か、えっと、えっと、
チーズと、パンと、それから……たわし。
あっ、良かった、覚えてた。」
私は一安心し、町に着くまで忘れないように復唱しながら歩いて行った。
「チーズと、パンと、それからたわし。
チーズと、パンと、それからたわし……」
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